城南宮 庭園面積3000坪
城南宮には、作庭家・中根金作によって作られた神苑「楽水苑」があります。
「源氏物語花の庭」「平安の庭」「室町の庭」「桃山の庭」「城南離宮の庭」
「春の山」
椿、枝垂れ梅、三つ葉つつじと春の草木が次々と花開く「春の山」
白河上皇は城南離宮を築く際に、「源氏物語」に描かれた光源氏の大邸宅、
四季の庭を備えた六条院をモデルにしたといわれ、ここ「春の山」と対をなす
「秋の山」が国道西側に広がる史蹟「鳥羽離宮跡公園」内にあります。
平安の庭(池泉庭園)
平安時代の貴族の邸宅
寝殿造の庭をモデルにした「平安の庭」
庭を広く見渡すと、寝殿造りをもした新楽殿から木々の影を写す池に続きます。
この池には中ノ島があり、段落ちの滝(階段状の滝)からは、
清流が注ぎ、二筋の遣水(やり水・小川)が流れています。
さらに進むと王朝の雅を偲ばせる曲水の宴が催される苔の庭が広がっています。
生気溢れる新緑、そして紅葉と、特に初夏から晩秋にかけて見応えがあります。
平安の庭:平安貴族の邸宅を寝殿造りと呼びます。
その寝殿から眺める「寝殿造庭園」を模している庭園は残っていません。
ここでは、「神楽殿」を寝殿として、その南に庭園を作っています。
苔庭には遣水(やりみず)が作られ、列を活かすように水切り石を配置しています。
躍動感ある流れを演出しています。
(水切り石・・水を左右に分流するための石)
池泉には亀島にもみえる中島が作られています。
池泉庭園の奥には曲水庭園が作られています。
曲水庭園とは、平安時代の貴族が杯が自分の目の前までに流れてくるまでに
詩歌を作って詠み、盃の酒を飲んで次へ流すという遊ぶ「曲水の宴」を楽しむ庭のことです。
その様子は、万葉の森 曲水庭園(浜松市)を参考に。
曲水庭園は全国でも限られています。万葉の森園 まほろばの園(島根県益田市)
城南宮の庭園の敷地は110メートルにも及び、その空間に広大な自然のイメージを
演出して、寝殿からその眺めを楽しんでいました。
平安時代の中期に差し掛かると、阿弥陀如来を中心として極楽浄土を理想とする
浄土信仰が貴族でも盛んになります。
そのため、寝殿造庭園は、極楽浄土を表現するための浄土式庭園に変化していきます。
浄土式庭園は、西に阿弥陀堂を建てて浄土とし、
東から庭を眺めて現世とする造りになっています。
翼楼付き阿弥陀堂や曲池などを取り入れ、神殿造の様式の要素も取り入れています。
現代でも見られる庭園では、平等院鳳凰堂が代表的です。
室町の庭
茶道・生花・能楽などの日本文化が大成された室町時代の様式で作られた
池泉回遊式庭園の「室町の庭」
池の中央には不老長寿を象徴する松が生える蓬莱島があり、
その対岸の三つの石(三尊石)は三体の仏を表し理想の世界を象徴しています。
池には錦鯉が泳ぎ、4月末の藤、5月のツツジ、秋の紅葉が特に美しい。
室町時代は、千利休などにより茶道が大成された時代です。
茶室が作られます。
池泉は不老不死の仙人が住むとされる蓬莱山が作られ、
築山の頂には三尊石が組まれています。
写真中央の立石が三尊石の中尊石となります。
池泉西部からの眺め
薄くて華奢(かしゃ)な石橋が特徴的で、室町時代の特徴を表しています。
慈照寺(銀閣寺)の石橋「仙桂橋」は室町時代のものです。
桃山の庭
水を用いずに海を表した枯山水様式の庭で欧州の文化に出会い
武士が天下統一を目指した桃山時代の豪壮な気風を反映しています。
広々とした芝生が大海原、点在する岩が沿岸の島々を表します。
船の形に剪定された松を欧州から黄金の国ジパングに来た船と想像するのも楽しい。
4月の桜、5月のツツジ、青空澄み渡る新緑の季節の頃が美しい。
武将たちが天下統一を目指した時代、豪壮な気風を感じさせる
枯山水となっています。
生垣、緩やかな曲線を描き躍動を感じます。
蘇轍と石の組合せ
紅葉のお茶席(秋)から枯山水を楽しめます。
斜面を活かした苔庭には三尊石風の石組も見られます。
三尊石風
大小3つの石を組むことは日本の庭園の黄金律のようなのです。
古くから石組の最も基本的な形として組まれています。
三尊仏とは、釈迦三尊や阿弥陀三尊などの
仏教における仏像の配置形式のことです。
例えば、阿弥陀三尊では阿弥陀如来を中尊とし、その左右に左脇侍に観音菩薩
右脇侍に勢至菩薩を配する形式
多くの場合は見た目の美しさから三尊菩薩が組まれます。
石組とは、日本庭園における石の配置方法、置き方のことです。
自然の石を組み合わせて配置することで、自然風景を表現します。
枯山水においては、石組は欠かせない要素の一つで、水を使わずに自然風景を表現する
主役を担うことが多いです。
最後に城南庭
平安時代後期の離宮の景観を枯山水で表現しています。
苑路は鴨川を表し、白砂で離宮の池を表現しています。
芝庭による出島
店を突くような立石、伏石など種類の異なる石を絶妙に組んでいます。
想像以上に見応えのある日本庭園であり、「源氏物語花の庭」梅が感動的です。
城南宮の一帯が最も華やかであった平安時代後期の様子を表す枯山水の庭園。
平な石を敷いた苑路が鴨川を敷き詰められた白い石が離宮の池を、緑の草が陸地を
そして岩組みが殿舎を表しています。
ここ城南宮で、上皇のもと貴族が花見の宴や和歌の会を催し、
また、武士が流鏑馬で弓馬の枝を競った時代が150年余り続きました。